【パネルから進化へ】地方製造業が“実績ゼロ”の海外人材プロジェクトに飛び込んだ理由

秋田県鹿角市に拠点を置く、優れた製造企業の業界視点をご紹介します。

ジョイタム株式会社

秋田県鹿角市
制御盤・分電盤・配電盤および電気ハーネス製造業

根本 宗尚

 取締役社長


実績ゼロの段階で決断できたワケ

昨年 11 月時点、Zuitt には導入実績がありませんでした。それでも第 1 期生を受け入れた背景を教えてください。

技人国」に以前から興味がありました。決め手は RareJob 創業者の加藤 CEO への信頼感 と、日本語力まで伴走する体制。専門職は言語がボトルネックになりがちなので、そこを任せられるのは大きかったですね。


15 名を 1 日体験させて見えたもの

── 職業体験で 15 名を受け入れました。課題設計と評価ポイントは?

チームで設計図を読み、制限時間内にアウトプットを出す課題です。協働姿勢・時間厳守・主体性を重視しました。


本命を逃しても 3 名採用した理由

── 上位志望の学生は他社へ行きました。それでも 3 名採用を決めたのは?

電気設計人材は市場にほぼいません。一括育成で切磋琢磨させた方が合理的だと判断しました。


正式配属後 1 年で期待する変化

── 秋の配属後、最初の 6〜12 か月でどんな変化を期待しますか?

職場が明るくなることと、目的意識を持つ若手が日本人にも刺激を与えること。Kaizen 提案や品質改善の芽を育てたいですね。


「言語・転職・受け入れ抵抗」への答え

── ①日本語力 ②都会流出 ③現場の抵抗――他社社長はこう懸念します。どう考えますか?

  1. 言語:AI 通訳の時代に「ネイティブ必須」は時代遅れ。社員側も歩み寄るべき。
  2. 転職:都会へ流れるのは日本人も同じ。会社価値と待遇を上げれば定着する。
  3. 現場抵抗:特定技能で成功体験があり、1 日体験で不安は消える。

鹿角モデル:行政支援+自社投資

── 通勤・住居など地方ならではの受け入れオペレーションは?

空き家改修補助を活用済み。今回は 工場近くに 1K×10 室のアパートを新築し家賃半額補助します。


これからの人材戦略

── 優秀人材を継続確保する長期戦略は?

国籍ではなく優秀さ基準。管理職も含め外国人主体になる未来を描いています。


地方製造業への3つのヒント

── 最後にアドバイスをお願いします。

  • 地方ほど外国人を活用すべき。他に手立てがない。
  • 失敗しても金銭以外のリスクは小さい。5〜10 年後への投資だと割り切る。
  • 若い経営者ほど、10 年先を見ざるを得ない(見ようとする)。だからこそ大胆に動ける。


エンディング

人が来ないなら、自ら動いて呼ぶ」。ジョイタムは行政支援を活用し、住居まで整備して、
“実績ゼロ”の段階から一歩を踏み出した。その行動力こそ、地方製造業が未来を切り拓く武器になる。

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